尊敬する人、いますか?

偶に「あなたの尊敬する人は誰ですか?」と云う質問を受ける。






私は昔からこの質問になかなか答えられなかった。
否、今も上手く答えられない。
なんですかね、この質問って“人生の”と云う言葉が自然とプラスされるんですよ。
私の中で。
そうすると、悩む。
悩む、と云うか呻く。
決め手の人がいないのです。
歴史上の人物で“好きな人”はいるけれども(坂本龍馬とか)、それが“尊敬する人”にはならない。

一般的に『両親』とか『恩師』と云う回答がある。
たしかに一、二度使いました。
『両親』を。
しかし、よく考えると尊敬に値するかどうかは疑問だ。
それなりに常識人だし物事に詳しいけれど、それで“尊敬”と云う言葉に当て嵌められない。
まあ、二人の喧嘩や出来事に人生を見るときはあるけれども。


カテゴリ別にすると、若干いるかもしれないと最近思い始めている。

文章:吉行淳之介 川端康成
(二人の筆致には衝撃を受けた。特に掌編小説は好きですな)


話し方、というかコミュニケーションの部門で尊敬する人たちがいる。
私が通っている整骨院の先生方だ。

これがまあ、ずっと明るい。
笑いが絶えない。
私が行くと、先ず近況を云わされ、その中で私のからだの状況なんぞを訊きだして、こちらが電気にあたるために横たわっていると他の患者さんの施術をしつつもちょっかいを出してくる。
ふと気付くとおばあ様たち相手に笑いをとろうと必死になっている。
しゃべりも、ときに優しくときに厳しい言葉が行き交う。

まあるく治めている。
そんな印象だ。

常に明るく、相手を笑顔に出来るような言葉を遣いたい。


そんな風に思える人たちである。
私もそんな風になりたい。

今、身近な尊敬する人たちである。