『よみがえる国宝』@九州国立博物館

内覧会があったので、行ってきました。





館長の挨拶の後、展示内容の概要説明。

今回は“文化財の保存”を主たるテーマに据えた展覧会になっている。
保存・修理・復元という大まかに三つの分類で文化財がどのように守られてきたのかを学べた。
現代だけではなく、もっと昔……それこそ江戸時代などでも文化財保護のため様々な工夫がなされていたことは驚き。

聖徳太子を悼む為に作られた刺繍。
飛鳥時代に作られたものが痛んだりして室町時代や江戸時代に繕われたものと組み合わせて現代のかたちになっている。
絵なども、何回も何回も補修がなされ、掛け軸の棒がその補修の記録を残していたり。
説明を受けて鑑賞すると、日本人の文化財への愛情を感じられる。

復元も、単にそのままを写し取るわけではない、その中にあるオリジナルの作者の気持ちを丁寧に汲み取ろうとする姿勢が垣間見れる。
そのためにはどうしたら良いのか。
現代の取り組みがわかる、良い企画展であったと思う。

ただ、惜しむらくはもう少し企画展を観る時間を増やしてほしかったこと。
説明が長引き、一時間弱で観ることになり、かなり駆け足だったことは否めない。
また、見比べるものがもう少しあれば一層理解が深まったと思う。
随所に説明は有ったが、時間がないとなかなか説明までは読めないので。
そこのところ、次回同様の企画展があったときに改善していただけたらと思う。