吉行淳之介『ダンディな食卓』

現在吉行淳之介の『ダンディな食卓』を読んでいる。


別に食べ物ばかりの話ではなく、食べ物の名前を下敷きにしたエッセイ集だ。
私は吉行氏のエッセイで好きなのは、ちょっとしたエピソードが挟まれているところだ。
エピソードがさながら掌編小説のように読み応えがある。
ときに不可思議でときに現実味のある会話が特に楽しい。

吉行氏は表記にこだわる人だ、と思う。
カタカナを使ったり、ひらがなを使ったり、妙に難しい漢字を使用したり。
明らかに意図がある、遣い方。
ひらがなや漢字はわかるのだが、いまだにカタカナを遣う意図がわからないときがある。
強調しているのか、ぶっきらぼうにみせているのか。

私がカタカナをあまり遣わないからわからないのだろうか。
どうも、女性である私はやわらかなひらがなを遣うことの方が多い。

目下、カタカナの遣い方を吉行氏の本の中で考えている。