詩 『電車にて、老夫婦を見て』
電車にて、老夫婦を見て
いつまでも貴方の隣にいたいと思うのは、私の我儘でしょうか。
時々喧嘩して、時々甘えて、時々甘えられて。
貴方が仕事をしていたときは一日の半分は離れ離れでした。
若い頃は貴方の不在が寂しくて、中年になったら煩わしくないと清々して。
今、また老年になって隣にいてくれるようになり、時々何処かに行っていると寂しくなります。
不思議なものですね。
私の心は貴方に恋したときに戻るのです。
貴方はどうでしょうか。
老いると死がすぐそこに向かっています。
貴方は私と最期まで共に在りたいと思って下さいますか?
ねえ、隣でうつらうつらと眠ってる貴方。
私より先に逝かないで下さいまし。
出来るなら。
共に生きて、共に逝きたいものですね。