雑感 ビブラート

NHKEテレで『亀田音楽専門学校』という番組がOAされている。
普段は観ていないが、贔屓にしているゴスペラーズがゲスト出演する回があったので、それだけ録画して観た。
二回出演した回があったのだが、その内「揺れる心のビブラート」の回がすごく印象に残り、感じたことがあったので、記すことにする。


曰く、ビブラートは音楽における感情表現の一種だ、とのこと。
ビブラートって、声が同じ周期と同じ揺れ幅らしい。
ゴスペラーズ黒沢薫こと黒ぽんがビブラートを計測したら、さすがに安定した幅だった。
音楽的にはこういう定義だが、歌に置き換えてビブラート有り無しで歌ってもらうと、テクニック云々より感情表現の差がわかる。
勿論ビブラート無しの素晴らしい歌もある。
松任谷由実さんの歌が紹介されていたが、素直な心を表現するにはビブラート無しの方が効果的だ。
番組の内容としてはこんな感じだ。



で、この番組を観ながら宝塚歌劇の場合を考える。
宝塚歌劇の歌は、所謂宝塚調。
作曲している人たちも歌い手である生徒も特段意識しているわけではない、この宝塚調。
宝塚歌劇の創世期に日本製のオペラを目指したことから外国の歌を幅広く取り入れたが、同時に日本の民謡や歌曲も取り入れたために外国の音楽と日本の音楽が交じり合って出来たもの、それが宝塚調と呼ばれるものではないだろうか。

ビブラートの多用も、宝塚調と呼ばれるものかと思う。
芝居でもレビューでも登場する歌には台詞や情景が出てくるわけだから、ビブラートを含め、歌うことはイコール演じるということだ。
ビブラートの多用において娘役はそうでもないが、男役はかなりビブラートきかせてると思う。
安奈淳さんことオトミさんは歌の名手として名を馳せてるけど、独特の節回しの中でビブラート率はかなり高いはず。
はず、と書くのは私がビブラートをはっきりわかっていないから(笑)単純によく聴いていると細かくビブラートされてると思ってるのだが。。。
男役の場合は低音を出さないといけない為、無理して低音を出して一本調子の歌にならないようにビブラートをきかせることによって音の無理矢理感をなくし、感情を表現しているのではないだろうか。
そして、それが普通の男性では表現出来ないような夢々しい世界を作り出しているのではないか、と私はそう思っている。



ま、特に真剣な考察でもない。
音楽的なものもだいぶ遠ざかっているので、間違いだらけかと思う。
なんとなく考えだけまとめたかったので残しておくことにする。